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LMC Championships 2009


ラウンド 8: 仙波 恒太郎(千葉) vs 鈴木 大輝(千葉)

Written by Daisuke Kawasaki

LMC Championship も最終戦。とはいえ、なんと最終戦は上位 8 人が ID すればそのまま確定ということになったので、このラウンドは完全に趣味でマッチを選ばせていただこう。

といっても、完全に趣味で選ぶわけには行かない。そこでふと思い出す。会場には 3 人の日本選手権トップ 8 経験者がいるにもかかわらず、ひとりも、そして 1 回もフィーチャリングされていないのだ。

と、ここで、2008 年日本選手権トップ 8 入賞の仙波 恒太郎(千葉)が、鈴木 大輝(千葉)とマッチアップされているのを発見した。仙波と言えば、千葉に住みながら千葉勢ではないと言い張る、異端揃いの千葉勢の中でも、逆の意味で異端の存在。一方の鈴木は、千葉の飲み会でもっともいじられ愛されている「魔界の寵児」とまで呼ばれる存在。

このふたりのマッチアップは面白い、と思い、フィーチャリングすることにした。

というのは、全部嘘であり、単純にデックの面白さでマッチアップを選ぶこととした。仙波のデックは会場でも最大勢力であるジャンドに白をタッチしたもの。

対する鈴木のデックこそ、会場屈指のびっくりどっきりデックなのだ。

なにが飛び出るかわからないこのマッチ。余すところなくお届けしたいと思う。

Game 1

仙波 恒太郎
仙波 恒太郎

先手は鈴木。

2 ターン目に《水蓮のコブラ》というスタートに鈴木に対して、仙波はタップインランド 3 連続という少々のんびりとした立ち上がり。

そして、鈴木は《水蓮のコブラ》の上陸によって生み出されたマナを使い、4 ターン目に 5 マナを確保、《リリアナ・ヴェス》をキャストし、仙波の手札を攻める。

この時点で、鈴木のセットしている土地は、《沼》が 2 枚に《山》《森》

ここで通りがかったプレイヤーが、ちらりと戦場をみて「ここもただのジャンド対決か」とつぶやく。だが、ただのジャンド対決がこの状況でフィーチャリングエリアに呼び出されるハズもない。

それはそれとして、実際のところジャンドを使っている仙波は、4 ターン目に《血編み髪のエルフ》をキャスト、そして、続唱で《国境地帯のレインジャー》を戦場に追加し、《リリアナ・ヴェス》の分を補ってあまりあるアドバンテージを確保。《血編み髪のエルフ》《リリアナ・ヴェス》に攻撃し、忠誠カウンターを 3 とする。

返って、鈴木のターン。まず、《国境地帯のレインジャー》をキャストすると、サーチしてきた《山》をセットし、《水蓮のコブラ》の上陸でマナを確保。そして、2 体目の《水蓮のコブラ》をキャストすると、《リリアナ・ヴェス》の能力で山札を積み込んでターンを終了する。明らかに「ただのジャンド対決」ではない異様な雰囲気。

仙波は、《荒廃稲妻》をキャストし、ダメージを《リリアナ・ヴェス》に飛ばして破壊する。ここで鈴木がディスカードした 2 枚のカードは《堕ちたる者、オブ・ニクシリス》《若き群れのドラゴン》。異様。

鈴木の残した 1 枚の手札はフェッチランド。そして、二重×二重の上陸が生み出したマナが、《リリアナ・ヴェス》で積み込んだカードをキャストするだけのマナコストを満たす。

そのカードとは、《歪んだ世界》

パーマネントの数は、鈴木が 9 枚に、仙波が 7 枚。

鈴木 「お願い、引いて!」

鈴木の願いが叶ったのか、鈴木の戦場に舞い降りる《堕ちたる者、オブ・ニクシリス》

そして、フェッチランドを含む、6 枚の土地。

まずは、上陸で 18 点。そして、フェッチで 3 点。

仙波 0 - 1 鈴木


Game 2

後手鈴木が 2 ターン目《豊穣の痕跡》でマナを加速すると、仙波は 3 ターン目《芽吹くトリナクス》で応対する。

4 マナに到達した鈴木は《ムル・ダヤの巫女》をキャスト。ここでめくれたライブラリートップは土地では無かったものの、《リリアナ・ヴェス》。しかし、ここで追加のセットランドをできなかった以上、鈴木の手札に土地はない。

一方の仙波。生かしておくとゲームにならない《ムル・ダヤの巫女》《マグマのしぶき》で除去。《芽吹くトリナクス》でアタックしてターンを返す。ここで、鈴木は《ゴブリンの廃墟飛ばし》をキャストし、仙波の《ジャングルの祭殿》を破壊する。

手札を温存させては、いつでも《歪んだ世界》からの瞬殺が見えるだけに慎重に攻める仙波。まずは《荒廃稲妻》をキャスト、鈴木の手札から《水蓮のコブラ》《酸のスライム》を奪う。続くターンに今度は《強迫》をキャスト。《酸のスライム》《包囲攻撃の司令官》という 2 枚のクリーチャーに、《リリアナ・ヴェス》《歪んだ世界》の 2 択から、《リリアナ・ヴェス》をディスカードさせる。

ここで土地を引けない鈴木だったが、次点である《豊穣の痕跡》をドロー、翌ターンになんとか 5 マナに到達し、《酸のスライム》で仙波の唯一の白マナ源である《断ち割る尖塔》を破壊する。仙波は《芽吹くトリナクス》のダメージを通すために《酸のスライム》《稲妻》で除去すると、《国境地帯のレインジャー》《平地》をサーチし、白マナを確保する。

しかし、《酸のスライム》をキャストしたターンに鈴木が引いていたのは《若き群れのドラゴン》だった。続いて、土地を引き込んだ鈴木は、フェッチによってライフを 4 にしつつも、《若き群れのドラゴン》をキャスト。これによって、《芽吹くトリナクス》《国境地帯のレインジャー》がアタックできなくなってしまった仙波はただターンを返す。

ここで強気に《若き群れのドラゴン》とトークンでのアタックをする鈴木。さらに強気に《国境地帯のレインジャー》をキャストし、《森》をサーチ、マナを 7 マナに伸ばして、続くターンの《歪んだ世界》まで見える選択肢を取る。

返すターン。

仙波は《強迫》《歪んだ世界》をディスカードさせると、《稲妻》《国境地帯のレインジャー》を除去、そして、2 体のアタックで鈴木のライフを削りきった。

鈴木 「うわ、ミスった!」

ギャラリー 「えーーーーー!」

鈴木 「マナを数え間違えて、《国境地帯のレインジャー》のあとに《包囲攻撃の司令官》だせると思ったんだよ……」

別に強気なわけではなかった。

仙波 1 - 1 鈴木


Game 3

鈴木 大輝
鈴木 大輝

自力で先手を持ってきた鈴木は順調にマリガン。

鈴木が 2 ターン目に《豊穣の痕跡》をキャストすると、返しのターンに仙波は《強迫》。この手札が、土地 2 枚に《ムル・ダヤの巫女》《酸のスライム》といういわゆる空振り。

そして、3 ターン目にして 4 マナに到達した鈴木は《ムル・ダヤの巫女》をキャスト。ライブラリートップこそ《包囲攻撃の司令官》だったものの、手札から 2 枚目の土地をセットし、次のターンには 6 マナに到達する見通し。仙波が《ムル・ダヤの巫女》を除去レなければ、7 マナだ。

はっきりいって、鈴木が 8 マナ揃った瞬間にいつでもトップデックで負けれる仙波は、《マグマのしぶき》《ムル・ダヤの巫女》を除去。

鈴木は返しのターンで《酸のスライム》をキャストし、仙波の土地を破壊。一方の仙波も、《荒廃稲妻》ですでに確認済の《包囲攻撃の司令官》をディスカードさせる。

だが、鈴木、山札が強い。ここで再び降臨する《若き群れのドラゴン》

ギャラリーが集まり、地元千葉人なのに、何故か四面楚歌風の雰囲気漂う仙波。何せ相手は「魔界の寵児」なのだ仕方ない。《血編み髪のエルフ》をキャストすると、この続唱で《大渦の脈動》がめくれ、とりあえずドラゴンを 1 体 破壊。さらに《稲妻》《酸のスライム》を除去すると、手札から《大渦の脈動》でもう 1 体のドラゴンを除去する仙波。

続くターンに土地を引き、鈴木のマナは 7 マナ。仙波は《血編み髪のエルフ》でアタック。鈴木は、カードをドローすると、ターンを終了する。このタイミングで鈴木が手札に保持するカードなど、ひとつしかない。そう、《歪んだ世界》だ。

ここで、仙波は《血編み髪のエルフ》をキャストする。そして、続唱でめくれたのが、《荒廃稲妻》。哀れ鈴木の《歪んだ世界》は墓地へと。

続いてマナを確保し、後は《歪んだ世界》を引くのみとなった鈴木に対して、仙波の 2 枚の《血編み髪のエルフ》がクロックを重ね、鈴木のライフは残り 1。

ここで、山札のトップが《歪んだ世界》であれば、劇的な逆転勝利もあり得る鈴木。もはや、仙波も含めた場の全員が、鈴木の強烈なトップデックを、記録より記憶に残るトップデックを期待している。

鈴木は山札のトップをそのまま、戦場へと叩きつける!

だが、そのカードは《歪んだ世界》ではなかった。

Lavalanche

《歪んだ世界》ではなかったが、《溶岩崩れ》。なんと、トップデックで危機的状況をいったんリセットすることに成功した鈴木。対する仙波はドローアンドゴー。

続いて鈴木が山札のトップを戦場に叩きつけると、今度は《若き群れのドラゴン》。もう、ポケットを叩くと、ビスケットがふたつどころの騒ぎじゃない。山札を叩きつけると、ドラゴンが 2 体なのだ。

手札に《天界の粛清》を持っていた仙波は、なんとか《若き群れのドラゴン》本体は除去したものの、トークンがにらみをきかせている。仙波のライフは 8。

ここで、ライフ 1 なのにフェッチを引くという軽い芸人根性を見せた鈴木は、果敢に、そして強気に、ドラゴントークンでアタックし、仙波のライフを 4 とする。つまり、次のターンのアタックで鈴木は勝利するのだ。

誰とも無しに、口にした。

「いいの? 次のターン、仙波さん《血編み髪のエルフ》引いちゃうよ?」

そして、それは全員の声となった。口々に《血編み髪のエルフ》《血編み髪のエルフ》と言うギャラリー。これが、千葉の、魔界のフィーチャリングエリアだ!

鈴木 「大丈夫、大丈夫だって!」

仙波は山札からカードをドローすると、それを静かにキャストした。

Bloodbraid Elf

鈴木の次のターンのドローは弱気なら勝っていた《包囲攻撃の司令官》

仙波 2 - 1 鈴木

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