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LMC Championships 2009


デッキブレイクダウン

Written by Daisuke Kawasaki

最新セット「ゼンディカー」が発売されてから一ヶ月足らず。

Game Day という大型の構築イベントを前にスタンダードで開催されたこの LMC Championship。果たして「ジャンド一強」という評価は本当なのか? まだ見ぬローグデックは存在しないのか? 多くの人が注目しているであろう、このイベント。

まだ、ラウンド4終了時点と、デッキの強さ自体の評価は定まっていない状態ではあるが、まずは、会場のデック分布をお届けしよう。

ジャンド系 25 純正ジャンド 11
タッチ白 12
5色 1
続唱無し 1
白系ビート 15 白単 5
白緑 2
白青 2
バント 2
エスパー 2
黒バント 1
白緑黒 1
青系コントロール 11 エスパー 5
トースト 4
青白赤 1
青赤 1
赤系ビート 11 赤白上陸 5
赤白 3
赤単上陸 2
赤単 1
吸血鬼 5 黒単 4
赤黒 1
その他 6 赤緑エルフ 1
青白LO 1
《歪んだ世界》 1
《変身》 1
《時の篩》 1
《紅蓮術士の昇天》 1

会場の約 1/3 がジャンド系デックと、前評判に違わない分布となったが、しかし各アーキタイプを見ていくと、なかなか興味深い要素も潤沢にある。

ここでは簡単に各アーキタイプについての分析も行ってみよう。

ジャンド系

Bloodbraid Elf

まずは、現スタンダード環境の大本命とも言えるジャンド系デック。

思えば、アラーラブロック限定構築で行われたプロツアー・ホノルルのメタゲームも、完全にジャンド一強という状況だった。環境初期のメタゲームがブロック構築の練り直しから始まることを鑑みれば、この結果も十分に納得のいくものだろう。

このジャンド系のアーキタイプの強さを支えているのは、続唱というカードの枚数とマナによるテンポ、両方のアドバンテージを獲得できる狂ったメカニズムである。特に、《血編み髪のエルフ》は続唱を否定したひとつの例外を除いてすべてのデックに採用されている。

ジャンドにどうやって勝つか、がこの環境のひとつのキーワードであることは間違いがない。

実際に、約半分のジャンド系デックは、同型対策として《復讐のアジャニ》《流刑への道》を投入したタッチ白のジャンドを選択しており、極端な例では後述する環境のもうひとつのキーカード、《悪斬の天使》をも投入したバージョンも存在している。

Tomii Tsubasa / LMC Championships 2009
 4  芽吹くトリナクス/Sprouting Thrinax
 3  国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger
 4  血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf
 3  悪斬の天使/Baneslayer Angel
 3  徴兵されたワーム/Enlisted Wurm

17 Creatures 4 荒廃稲妻/Blightning 4 稲妻/Lightning Bolt 3 大渦の脈動/Maelstrom Pulse 2 流刑への道/Path to Exile 3 復讐のアジャニ/Ajani Vengeant 2 チャンドラ・ナラー/Chandra Nalaar
18 Spells 2 森/Forest 2 沼/Swamp 2 平地/Plains 1 山/Mountain 2 竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit 3 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs 1 乾燥台地/Arid Mesa 1 湿地の干潟/Marsh Flats 4 野蛮な地/Savage Lands 4 ジャングルの祭殿/Jungle Shrine 2 断ち割る尖塔/Rupture Spire 1 風変わりな果樹園/Exotic Orchard
25 Land 60 Total Cards
 1  大渦の脈動/Maelstrom Pulse
 2  マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch
 3  天界の粛清/Celestial Purge
 3  大貂皮鹿/Great Sable Stag
 3  強迫/Duress
 3  マグマのしぶき/Magma Spray

15 Sideboard Cards

白系ビート

Baneslayer Angel

そちらがプロツアー・ホノルルなら、こちらはプロツアー・オースティンだとばかりに二番手に位置したのが、主に《悪斬の天使》をフィーチャーした白系のビートダウンデッキである。もちろん、このカテゴリーのすべてのデックに《悪斬の天使》が入っているわけでは無いことは留意いただきたい。

ブライアン・キブラーの優勝によって、その実力がエクテンレベルであることが証明された《悪斬の天使》。ちょうど、プロツアー・オースティンの LCQ 突破デックに《悪斬の天使》《茨異種》を使用した白緑ビートダウンがあったことも手伝って、今回、対ジャンドの急先鋒として注目されることとなった。

《悪斬の天使》が、ちょうど《瀝青破》で倒されないサイズであることも手伝い、他にも対処しなければいけない=単体除去を使わせるカードと組み合わせる戦略は、今なお健在といったところか。

Sugaya Hironobu / LMC Championships 2009
 4  白蘭の騎士/Knight of the White Orchid
 4  白騎士/White Knight
 4  守護熾天使/Guardian Seraph
 4  エメリアの天使/Emeria Angel
 3  悪斬の天使/Baneslayer Angel

19 Creatures 4 流刑への道/Path to Exile 4 清浄の名誉/Honor of the Pure 4 天球儀/Armillary Sphere 4 征服者の誓約/Conqueror's Pledge 2 精霊への挑戦/Brave the Elements 1 黄金のたてがみのアジャニ/Ajani Goldmane
19 Spells 19 平地/Plains 3 空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin
22 Land 60 Total Cards
 2  軍部政変/Martial Coup
 3  審判の日/Day of Judgment
 3  コーの奉納者/Kor Sanctifiers
 2  遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant
 4  天界の粛清/Celestial Purge
 1  エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria

15 Sideboard Cards

青系コントロール

Double Negative

続く位置にいるのが、この青系のコントロールである。

このカテゴリーには、赤青のカウンターバーンから、5 色のいわゆるクイッケン・トースト風デックまでざっくばらんにまとめてあるが、ほぼすべてに共通するカードがある。

ひとつが、続唱カードをまとめてカウンターすることが可能な《二重否定》。もうひとつが、ゼンディカーで追加された強力なフィニッシャーである《ジュワー島のスフィンクス》である。

《二重否定》はマナコストこそ決して軽くないものの、ジャンド系の強さの源であり、また、デッキを強引に動かす潤滑油でもある続唱カードを機能不全とする。《ジュワー島のスフィンクス》は、6 マナにして、被覆という除去耐性と 5/5 飛行という強力なクロックを併せ持ったパーフェクト・フィニッシャーである。特に、ジャンド系のデックは除去を単体除去に頼っているので、《ジュワー島のスフィンクス》を除去できるカードが事実上存在しないと言っていい。

単体除去によって、ジャンドが《悪斬の天使》に強く、《ジュワー島のスフィンクス》に弱い。環境の三角形を構築する時に、この要素は非常に重要かもしれない。

Kawaguchi Takahiro / LMC Championships 2009
 4  否定の壁/Wall of Denial
 4  ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle

8 Creatures 4 急使の薬包/Courier's Capsule 1 アラーラのオベリスク/Obelisk of Alara 3 稲妻/Lightning Bolt 3 流刑への道/Path to Exile 3 否認/Negate 4 二重否定/Double Negative 2 思考の泉/Mind Spring 3 審判の日/Day of Judgment 2 復讐のアジャニ/Ajani Vengeant 2 ジェイス・ベレレン/Jace Beleren
27 Spells 4 平地/Plains 4 島/Island 2 山/Mountain 4 氷河の城砦/Glacial Fortress 4 断ち割る尖塔/Rupture Spire 4 崩れゆく死滅都市/Crumbling Necropolis 4 沸騰する小湖/Scalding Tarn
26 Land 61 Total Cards
 3  天界の粛清/Celestial Purge
 3  瞬間凍結/Flashfreeze
 3  光輝王の昇天/Luminarch Ascension
 1  ジェイス・ベレレン/Jace Beleren
 1  審判の日/Day of Judgment
 1  悪斬の天使/Baneslayer Angel
 1  復讐のアジャニ/Ajani Vengeant
 2  妨げる光/Hindering Light

15 Sideboard Cards

各種ビートダウン

Plated Geopede

現環境でのビートダウンとしてもっともメジャーなのは黒単吸血鬼デックだと思われるが、今大会ではタッチ赤のタイプも含めて 5 人と使用人数はふるわなかった。

代わって、多くのプレイヤーからの支持を集めたのが、上陸系を含む赤ビートである。白系のビートダウンがカードパワーの高さでゴリ押すのに対して、こちらは単純なスピードを追求したタイプ、ととらえることができるだろう。

《ステップのオオヤマネコ》《板金鎧の土百足》といった上陸クリーチャーは、各種フェッチランドと組み合わせる事で、圧倒的なダメージを序盤に稼ぐ事が可能であるし、また、デックの構成によっては白系のユーティリティをうまく取り入れることができる。

サンプルとして掲載している田部のデックにも採用されているギミックだが、フェッチを温存しておくことによって、息切れ後に、《イーオスのレインジャー》トップデックからの《ステップのオオヤマネコ》《ゴブリンの奇襲隊》サーチによるサドンデスを狙うこともできるため、スピード重視にしてはギミックの多いデックであるといえるだろう。

Tabe Keita / LMC Championships 2009
 4  ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx
 4  ゴブリンの先達/Goblin Guide
 2  先兵の精鋭/Elite Vanguard
 2  ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker
 4  板金鎧の土百足/Plated Geopede
 3  コーの空漁師/Kor Skyfisher
 3  コーの鉤の達人/Kor Hookmaster
 3  イーオスのレインジャー/Ranger of Eos

25 Creatures 4 稲妻/Lightning Bolt 4 噴出の稲妻/Burst Lightning 4 流刑への道/Path to Exile
12 Spells 4 平地/Plains 3 山/Mountain 4 ぐらつく峰/Teetering Peaks 4 乾燥台地/Arid Mesa 4 湿地の干潟/Marsh Flats 4 沸騰する小湖/Scalding Tarn
23 Land 60 Total Cards
 4  天界の粛清/Celestial Purge
 3  悪斬の天使/Baneslayer Angel
 3  地震/Earthquake
 3  光輝王の昇天/Luminarch Ascension
 2  崇敬の壁/Wall of Reverence

15 Sideboard Cards

ローグデック

さて、これらの分類に入らないアーキタイプについても少し触れておこう。

今回、特に注目したいのは、《歪んだ世界》デックと《面晶体のカニ》を利用したライブラリーアウトデックである。

Hedron Crab
Warp World

まずは、《歪んだ世界》

その良くも悪くも圧倒的な効果から、根強いファンのいる《歪んだ世界》というカードだが、ゼンディカーの上陸というメカニズムによって、大きく強化されたと言っていいだろう。

というのも、同時に戦場に出た場合、それぞれが戦場に登場したことを認識するため、《歪んだ世界》は大量の上陸を発生させる呪文となるのだ。

特に、相手のライフを直接狙う《堕ちたる者、オブ・ニクシリス》による瞬殺はさらなるチューンナップをするだけの価値があるかもしれない。

Suzuki Taiki / LMC Championships 2009
 4  水蓮のコブラ/Lotus Cobra
 3  エルフの幻想家/Elvish Visionary
 2  国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger
 4  ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya
 4  酸のスライム/Acidic Slime
 4  包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander
 2  堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen
 4  若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon
 1  猛り狂うベイロス/Rampaging Baloths

28 Creatures 4 豊穣の痕跡/Trace of Abundance 3 歪んだ世界/Warp World 1 リリアナ・ヴェス/Liliana Vess
8 Spells 4 森/Forest 3 山/Mountain 2 沼/Swamp 4 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs 1 乾燥台地/Arid Mesa 4 広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse 4 根縛りの岩山/Rootbound Crag 2 野蛮な地/Savage Lands
24 Land 60 Total Cards
 3  ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster
 4  ジャンドの魔除け/Jund Charm
 3  大渦の脈動/Maelstrom Pulse
 1  溶岩崩れ/Lavalanche
 4  ドラゴンの爪/Dragon's Claw

15 Sideboard Cards

続いて、《面晶体のカニ》デック。

先日のプロツアー・オースティンでも、その圧倒的なライブラリーを削る能力をかわれて発掘デック復興の主役となっ《面晶体のカニ》だが、スタンダードでも、「13 枚削り」こと《書庫の罠》と併せて、ライブラリー破壊デックを構築することを可能としている。

まだまだ能力は未知数だが、ライフに依らない勝利を求める方は試してみてはいかがだろうか。

Kadota Shinichi / LMC Championships 2009
 4  面晶体のカニ/Hedron Crab
 4  白蘭の騎士/Knight of the White Orchid
 2  イーオスのレインジャー/Ranger of Eos

10 Creatures 4 吠えたける鉱山/Howling Mine 4 原霧の境界石/Fieldmist Borderpost 3 否認/Negate 2 罠師の引き込み/Trapmaker's Snare 4 流刑への道/Path to Exile 4 書庫の罠/Archive Trap 3 審判の日/Day of Judgment 1 精神壊しの罠/Mindbreak Trap 1 双つ術/Twincast 3 ジェイス・ベレレン/Jace Beleren
29 Spells 6 島/Island 5 平地/Plains 4 氷河の城砦/Glacial Fortress 2 乾燥台地/Arid Mesa 2 沸騰する小湖/Scalding Tarn 2 湿地の干潟/Marsh Flats
21 Land 60 Total Cards
 4  否定の壁/Wall of Denial
 4  瞬間凍結/Flashfreeze
 4  天界の粛清/Celestial Purge
 3  本質の散乱/Essence Scatter

15 Sideboard Cards

以上、駆け足ながらそれぞれのアーキタイプを簡単に解説させていただいた。

果たして、これらのアーキタイプから、トップ 8 入賞を果たすのは、そして、この LMC Championship を制するのはどのデックだろうか。

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